この作品の魅力は──誰もが主人公に共感できるところです 誰しも深い後悔を抱えています オレも酷いことをしてきた みんな酷いヤツだから安心していい、とこの作品は伝えています この劇中ドラマに向けられた称賛は『ボージャック・ホースマン』自体の魅力を…
1970年代初頭のアメリカといえばフェミニズム旋風である。ウーマンリブ運動の加熱。71年にヘレン・レディが『I Am Woman』をリリース。72年に雇用機会均等法が大幅に改正され、グロリア・スタイネムが雑誌『Ms.』を刊行。そして73年に「バトル・オブ・ザ・セ…
実在女子プロレス団体をモデルにしたコメディ『GLOW』は、リスキーな選択をとった。80年代に活躍した現実のGLOWは、今見るとかなり人種差別的なステージを放映していたのである。では、そんな問題あるショーをどのように“魅力的”に描くのだろう? 【※ネタバ…
HIPHOPとメンタルヘルスの関係性。2010年代後半にブームとなったエモRAPについてはCINRA.NET寄稿コラムでフォーカスした。本稿では「エモRAP」以前、主に1990年代から2010年代を追う。アメリカのHIPHOPは現実のブラック・コミュニティを反映する。心理療法を…
寄稿『若者の憂鬱と「死にたい」を表現するドラマや音楽。米社会の闇を探る - コラム : CINRA.NET』でフォーカスしたNetflixドラマ『13の理由』。高校生の視点をリアルに描きヒットした本作だが、S2ではリアリズム演出を破壊する挑戦に出ている。幽霊が出現…
CINRA.NET『“This Is America”に揺れる現代と、リオン・ブリッジズの物語』で触れたチャイルディッシュ・ガンビーノ『This Is America』。寄稿コラムにおいては、様々な社会問題を描いた作品であることを紹介した。こちらの記事では「アメリカで政治ソングが…
CINRA.NET様に寄稿させていただいたリオン・ブリッジズ記事で触れた、2018年USブラックカルチャーの躍進と波乱。その中で大きく報じられたケンドリック・ラマー『DAMN.』のピュリッツァー賞受賞は、どのような意義があったのか? 2018年ピュリッツァー賞音楽…
Netflix配信中のUKドラマ『ブラックミラー』。人気のあるテクノロジーをテーマとしたSF寓話だが、多くのエピソードには「実話の元ネタ」および「実話になってしまった予言的描写」が挟まれている。英国首相は本当に豚とファックした?ソーシャルランクによっ…
非難を呼んだ話題の問題作『マザー!』。ショッキングな暴力描写が展開される作は、アメリカの映画館出口調査CinemaScoreで5年ぶりのF評価を下された。どんな話かというと「夫婦の家にやってきた不審な来客を夫が招き入れつづけ妻が困惑する話」としか説明が…
【※後半ネタバレ無し】 「女は物事を根に持つ」「恨みは絶対忘れない」 「何でも女のせい?」
神KUSO--Goddes Shit--それはマスメディアの年末振り返り記事でもクソのよつなネタとして掲載外に処されるセレブたちの咆哮。神KUSOスターアワードとは、そのようなクソ扱いを受けるものにこそスターたちの人間味が宿ると考え、その神秘性を真面目に讃え…
【※本稿にはラストのネタバレが含まれています】
ジョン・クラカワーによるノンフィクション書籍。1984年にアメリカで起こった、一夫多妻制を「神聖な教義」とするモルモン原理主義者による殺人事件。犯人は動機を「神の啓示」だと語った。殺人を神聖な行為として語る男の裁判は、いつしか「信仰」をめぐる…
『スパイダーマン:ホームカミング』の悪役が「トランプ支持者のよう」と話題だ。Rolling StoneもLA TimesもVultureも、同作のヴィラン・ヴァルチャーをトランプ政権と絡める記事を出している。その理由には、今日のアメリカ世論の一部を形作る「怒り」が存…
Netflix製作ドラマ『マスターオブゼロ Season2』の製作者たちによるラストの解説を紹介する。加えて、作品に向けられたネガティブ批判、そこからの個人の見解を記す。Season1の感想はこちら 【※ラストのネタバレあり】
17年7月、週刊少年ジャンプ連載『ゆらぎ荘の幽奈さん』の性表現が議論を巻き起こした。この問題自体への自分の結論は出ていない。一方で作品を読んでみたところ、「セクシャルハラスメントを美化しない為のジェンダー的配慮」は感じられたので紹介したい。 …
2009年イドリス・エルバ主演作。あのビヨンセが準主演キャストに加わったDIVAムービーである。 ストーリーは不倫サスペンス。会社役員を務めるリッチなエルバは、職場の華だったビヨンセと結婚。ビヨンセは妊娠を機に専業主婦となり、進学を視野に入れながら…
Netflix配信ドキュメンタリー『くすぐり』の後日談を紹介、本作の誇張された演出の疑惑も
映画『パッセンジャー』のラストは大きな論争を呼んだ。実は、この作品の脚本は多くのアカデミー作品賞&候補作を輩出したブラック・リストに入っていた。そして、その栄誉あるオリジナル脚本のエンディングは公開されたリリース版と大きく異なっていた。本…
村上春樹がみずから語った「自作の国際人気の理由」を紹介する。彼は、国々の社会情勢がムラカミ作品の需要を作ったと語っている。又、インタビューから8年経った2017年に出版された『騎士団長殺し』がいかに国際社会、および人々の精神とつながっているかの…
GINZA No.237 恋する2月号 magazineworld.jp 『GINZA No.237 恋する2月号』様にてセレブ・カップルについて寄稿させていただきました。Amazonやhontoなど、電子版も上記サイトより販売中です。 【おしながき】・カイリージェンナーと恋の錬金術師タイガ・J…
サンダンス映画祭審 査員対象受賞作 Netflix独占配信 その日の主人公は嫌なことだらけだった。看護助手をしている治療施設で、患者の老婆が抗議運動をする黒人のニュースを見てこう言った。「あいつらがアメリカを蝕んでる、あいつらのデカいチンコは絶対に…
グラミー賞の「人種差別」疑惑への批判は、ここ3年の最優秀賞アルバム部門の話題を中心に熱を帯びた。アワードの幹部や会員に差別バイアスがあるかはわからない。しかしながら、主要4部門の投票システムにおいて「音楽ジャンル」別に格差がある可能性があ…
第51回スーパーボウルで行われたレディー・ガガのハーフタイムショーが話題だ。民主党派のみならず、共和党議員やトランプ支持者まで政治的観点から賞賛している。もしかしたら、ガガが願ったのは「アンチ・トランプ」ではなく「アンチ党派分裂」だったのか…
映画『母なる証明』は現実社会が抱く“母親偶像”を壊そうとする。しかしながら、映画の中では“母親”の持つ息子偶像が変容してゆく。 いわば現実と作中、合わせて2つの「母の偶像」に亀裂が入るのである。 【目次】 破壊される「社会」の「母親」偶像 崩壊し…
神クソとは人間讃歌である。「一般的には誰も褒めないネタだが爆笑」……そんなピースフルで最上な賛辞と言えよう。神クソ・スター・アワードとは、社会やマスメディアが決して高尚とはしないスターたちの神クソ言動を仰ぎ、生命の奇跡に感謝する祝祭のような…
今年、メディア媒体で書かせていただいた記事まとめです。 THE FASHION POST 様にて、2016年を象徴するセレブ・トピック記事に携わらせていただきました。ディカプリオの日常エピソード、ビヨンセとニッキーのレッドロブスターな関係等。同媒体様の2015年度…
アメリカで大ヒットしたコメディ映画『バッドママ』がNetflixでリリースされた。題名通り「バットな母親」をテーマにしたR指定コメディだが、この作品のヒットには少し特殊な面が存在する。本記事では『バッドママ』の映画産業におけるニッチな商業的成功、…
女性刑務所を舞台とする『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』は「犯罪者であってもみな人間」ということを描いている。殺人犯もドラッグディーラーも児童誘拐犯もそれぞれ事情を抱える人間である。ここまでは多様性の面で評価を手にするNetflixの看板作品と…
ジャスティン・ビーバーInstagram削除騒動に香る芸能人差別