辰巳JUNKエリア

ニワカを極めるブログ

『ハノーバー高校落書き事件簿』真相考察

【※本稿にはラストのネタバレが含まれています】

『信仰が人を殺すとき』アメリカの一夫多妻制の町と神聖な殺人

ジョン・クラカワーによるノンフィクション書籍。1984年にアメリカで起こった、一夫多妻制を「神聖な教義」とするモルモン原理主義者による殺人事件。犯人は動機を「神の啓示」だと語った。殺人を神聖な行為として語る男の裁判は、いつしか「信仰」をめぐる…

『スパイダーマン:ホームカミング』の悪役はトランプ支持者?

『スパイダーマン:ホームカミング』の悪役が「トランプ支持者のよう」と話題だ。Rolling StoneもLA TimesもVultureも、同作のヴィラン・ヴァルチャーをトランプ政権と絡める記事を出している。その理由には、今日のアメリカ世論の一部を形作る「怒り」が存…

『マスターオブゼロ Season2』ラストの解説と批判

Netflix製作ドラマ『マスターオブゼロ Season2』の製作者たちによるラストの解説を紹介する。加えて、作品に向けられたネガティブ批判、そこからの個人の見解を記す。Season1の感想はこちら 【※ラストのネタバレあり】

『ゆらぎ荘の幽奈さん』に見られるジェンダー的配慮

17年7月、週刊少年ジャンプ連載『ゆらぎ荘の幽奈さん』の性表現が議論を巻き起こした。この問題自体への自分の結論は出ていない。一方で作品を読んでみたところ、「セクシャルハラスメントを美化しない為のジェンダー的配慮」は感じられたので紹介したい。 …

『オブセッション 歪んだ愛の果て』レモネード創世記

2009年イドリス・エルバ主演作。あのビヨンセが準主演キャストに加わったDIVAムービーである。 ストーリーは不倫サスペンス。会社役員を務めるリッチなエルバは、職場の華だったビヨンセと結婚。ビヨンセは妊娠を機に専業主婦となり、進学を視野に入れながら…

ドキュメンタリー『くすぐり』の皮肉な後日談

Netflix配信ドキュメンタリー『くすぐり』の後日談を紹介、本作の誇張された演出の疑惑も

『パッセンジャー』の改変されたオリジナル版ラスト / 強姦神話としての眠り姫からアダムとイヴへ

映画『パッセンジャー』のラストは大きな論争を呼んだ。実は、この作品の脚本は多くのアカデミー作品賞&候補作を輩出したブラック・リストに入っていた。そして、その栄誉あるオリジナル脚本のエンディングは公開されたリリース版と大きく異なっていた。本…

村上春樹が語る国際人気の理由 / 真実が死んだ世界の『騎士団長殺し』

村上春樹がみずから語った「自作の国際人気の理由」を紹介する。彼は、国々の社会情勢がムラカミ作品の需要を作ったと語っている。又、インタビューから8年経った2017年に出版された『騎士団長殺し』がいかに国際社会、および人々の精神とつながっているかの…

2017年メディア執筆記事一覧

GINZA No.237 恋する2月号 magazineworld.jp 『GINZA No.237 恋する2月号』様にてセレブ・カップルについて寄稿させていただきました。Amazonやhontoなど、電子版も上記サイトより販売中です。 【おしながき】・カイリージェンナーと恋の錬金術師タイガ・J…

『この世に私の居場所なんてない』 世界からくだらないと扱われる私の大切なもの

サンダンス映画祭審 査員対象受賞作 Netflix独占配信 その日の主人公は嫌なことだらけだった。看護助手をしている治療施設で、患者の老婆が抗議運動をする黒人のニュースを見てこう言った。「あいつらがアメリカを蝕んでる、あいつらのデカいチンコは絶対に…

グラミー賞主要部門の投票システム:音楽ジャンル別の格差疑惑

グラミー賞の「人種差別」疑惑への批判は、ここ3年の最優秀賞アルバム部門の話題を中心に熱を帯びた。アワードの幹部や会員に差別バイアスがあるかはわからない。しかしながら、主要4部門の投票システムにおいて「音楽ジャンル」別に格差がある可能性があ…

トランプ派も賞賛したレディー・ガガのアンチ分裂ハーフタイムショー

第51回スーパーボウルで行われたレディー・ガガのハーフタイムショーが話題だ。民主党派のみならず、共和党議員やトランプ支持者まで政治的観点から賞賛している。もしかしたら、ガガが願ったのは「アンチ・トランプ」ではなく「アンチ党派分裂」だったのか…

母なる証明 破壊される母の偶像

映画『母なる証明』は現実社会が抱く“母親偶像”を壊そうとする。しかしながら、映画の中では“母親”の持つ息子偶像が変容してゆく。 いわば現実と作中、合わせて2つの「母の偶像」に亀裂が入るのである。 【目次】 破壊される「社会」の「母親」偶像 崩壊し…

神クソ・スター・アワード2016

神クソとは人間讃歌である。「一般的には誰も褒めないネタだが爆笑」……そんなピースフルで最上な賛辞と言えよう。神クソ・スター・アワードとは、社会やマスメディアが決して高尚とはしないスターたちの神クソ言動を仰ぎ、生命の奇跡に感謝する祝祭のような…

2016年 執筆記事一覧

今年、メディア媒体で書かせていただいた記事まとめです。 THE FASHION POST 様にて、2016年を象徴するセレブ・トピック記事に携わらせていただきました。ディカプリオの日常エピソード、ビヨンセとニッキーのレッドロブスターな関係等。同媒体様の2015年度…

バッドママ / 大ヒットしたニッチな王道コメディ

アメリカで大ヒットしたコメディ映画『バッドママ』がNetflixでリリースされた。題名通り「バットな母親」をテーマにしたR指定コメディだが、この作品のヒットには少し特殊な面が存在する。本記事では『バッドママ』の映画産業におけるニッチな商業的成功、…

『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』レイシストもレイピストもいいやつ

女性刑務所を舞台とする『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』は「犯罪者であってもみな人間」ということを描いている。殺人犯もドラッグディーラーも児童誘拐犯もそれぞれ事情を抱える人間である。ここまでは多様性の面で評価を手にするNetflixの看板作品と…

さよならジャスティン・ビーバー / Instagram削除騒動に感じる問題性

ジャスティン・ビーバーInstagram削除騒動に香る芸能人差別

『マスター・オブ・ゼロ』ミレニアル世代が怖いこと

Netflixドラマ『マスター・オブ・ゼロ』はミレニアル世代を巧みに描く現代的今日的要素を活かしながらいつの世も人間が抱く普遍的なテーマを孕んでいる。 『マスター・オブ・ゼロ』が描くミレニアル世代 高齢者が多い『マスター・オブ・ゼロ』 多くの選択肢…

ジョイ/銃をとったシンデレラ

実在の発明家を描いた映画であるが、まるでシンデレラのようなおとぎ話が志向されている。1980年代アメリカのシンデレラはハンサムな王子様は求めない。男性社会の中で契約相手を探し、魔法使いに資金を求め、銃をとるのだ。 【目次】 【目次】 1.シンデレ…

名探偵コナン 純黒の悪夢★★★ミステリ消失

『名探偵コナン』と題される本作のジャンルはミステリのはずだが、昨年度の失敗の為かミステリ要素が極限まで排除されアクション映画と化している。 【目次】 ミステリを廃した『劇場版名探偵コナン』 ネタ感想 1.ミステリを排した『劇場版名探偵コナン』 …

ファッションシーンの日本アニメブーム エヴァンゲリオン、ドラゴンボール、セーラームーン、FF、エロetc

2015年ごろからパリコレ等でよく見かける、海外ファッション・ブランドの日本アニメ・デザインをまとめました。紹介するアニメ作品とブランドは目次参照。 【 目次】 エヴァンゲリオン&セーラームーン&ファイナルファンタジー / Louis Vuitton ドラゴンボ…

ビヨンセが『スター誕生』主演を切望した3つの推定理由:共通する音楽キャリア、思想、恋愛

2016年3月、1976年版『スター誕生』リメイク映画からビヨンセが降板した噂が報じられた。2011年時点の監督はクリント・イーストウッド、それが頓挫したのちの2015年にブラッドリー・クーパー監督説が浮上したプロジェクトである。4、5年に及ぶ交渉期間を…

キングスマン★★ブラック・ジョークに見えるピュアネス

マシュー・ヴォーンはピュアネスな作家だ。私にとって『キングスマン』はブラック・ジョーク作品ではなく「好きなことを無邪気に楽しむピュアネスな映画」である。ヴォーンは差別主義者殺害も楽しんでいる。 【目次】 観客の攻撃性を刺激する構造 マシュー・…

執筆*セレブリティ・ウォッチャーが選ぶ、2015年最も世間を騒がせたファッションセレブリティ10人 – THE FASHION POST [ザ・ファッションポスト]

fashionpost.jp THE FASHION POST様の記事『セレブリティ・ウォッチャーが選ぶ、2015年最も世間を騒がせたファッションセレブリティ10人』に携わせていただきました。 記事中ではノース・ウェスト、ケンダル・ジェンナー、ジャスティン・ビーバー、テイラー…

ウォーリアー★★★テアゲネスと白鯨とベートーヴェン

映画『ウォーリアー』の父と兄弟はそれぞれメタファーを背負っている。弟は英雄テアゲネス、父は『白鯨』、そして兄はベートーヴェン。この3つのメタファーから三者を考察する。 【目次】 弟テアゲネスが本当に欲しかったもの 白鯨と闘う父 ベートーヴェン…

ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション★★★★イラク戦争のメディア戦略

『ハンガー・ゲーム』はメディアの物語だ。メディアに纏わり付かれた主人公カットニス・エヴァディーンは「ヒーロー」ではなく「広告塔」、そして「戦争の被害者」である。イラク戦争を発端に開始された本シリーズは巧みに「戦争下のメディア戦略」を描き、…

『偽装の夫婦』立派な結論、しかし功罪の功しか描かぬ構成不備

『偽装の夫婦』の結論は多様性肯定だ。性的関係が無くとも、互いが「家族になりたい」と思ったなら家族になって良い。この提唱は異性愛&恋愛至上主義とは対極にあるだろう。しかしながら、この提唱は成立しきれていない。提唱自体を発する地盤となる作品自…

何がジェーンに起ったか?★★★★★いい子になれたジェーン

『何がジェーンに起ったか?』において“起ったこと”は、尊大であったベイビー・ジェーンが“いい子になれたこと”である。序盤と終盤シーンの類似はその変化を表している。 又、姉妹間には嫉妬の他に互いの罪悪感が大きく介在している。その為、単純に「姉妹間…