ドラマ

自殺者を急増させた『13の理由』、シーン差し替えへ

2019年7月、Netflixの人気ティーンドラマ『13の理由』がシーズン1の自死シーンのカット差し替えを発表した。筆者が確認したところ、ほぼカットに近い。浴槽で手首を切った少女が苦しみながら死んでいく様を丹念に描いた該当シーンとその物議については『ネッ…

『アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺』なにが彼を殺したか

開始早々、それは起きる。加害者は傷つき孤独な、金のなさそうな青年。一方、被害者は今なお最高のラグジュアリーを誇るブランドの創業デザイナーで、御殿というに相応しいバブリーな別荘で優雅に朝を迎える。要するに、殺人事件の被害者ジャンニ・ヴェルサ…

映画とTVの融合と『ビッグ・リトル・ライズ』、メリル・ストリープ (TIME Magazine)

コメント:アメリカの映画とTVドラマの距離感にまつわるTIME記事のメモです。内容をかいつまんでおり個人的解釈・文体も入れてるので、資料にはしないほうが良いです。 2017年、HBO『ビッグ・リトル・ライズ』により「映画は芸術/TVは格下」といった見方は…

2018年メディア寄稿集

2018年、メディア媒体に掲載していただいた記事集となります。 ご依頼等、なにかご連絡がありましたら下記メールアドレスにお願い致します。 tatsumijunk@gmail.com 文春オンライン:女子高生の星が教えてくれた、SNS時代の破局の乗り越え方 SNS時代のアンセ…

『ウエストワールド』 2016年の淑女と娼婦

2016年の作品にも関わらず、SF西部劇『ウエストワールド』は非常にステロタイプな女性キャラを主人公に据える。だからこそ、このドラマはエンターテインメント産業を“開拓”する。

『GLOW』勇気をくれる人種差別プロレス

実在女子プロレス団体をモデルにしたコメディ『GLOW』は、リスキーな選択をとった。80年代に活躍した現実のGLOWは、今見るとかなり人種差別的なステージを放映していたのである。では、そんな問題あるショーをどのように“魅力的”に描くのだろう? 【※ネタバ…

『13の理由S2』リアリズムからスピリチュアリズムへ?

寄稿『若者の憂鬱と「死にたい」を表現するドラマや音楽。米社会の闇を探る - コラム : CINRA.NET』でフォーカスしたNetflixドラマ『13の理由』。高校生の視点をリアルに描きヒットした本作だが、S2ではリアリズム演出を破壊する挑戦に出ている。幽霊が出現…

『ブラックミラー』半分ノンフィクション?元ネタ紹介

Netflix配信中のUKドラマ『ブラックミラー』。人気のあるテクノロジーをテーマとしたSF寓話だが、多くのエピソードには「実話の元ネタ」および「実話になってしまった予言的描写」が挟まれている。英国首相は本当に豚とファックした?ソーシャルランクによっ…

『ビッグ・リトル・ライズ』女性に厳しいドラマ?

【※後半ネタバレ無し】 「女は物事を根に持つ」「恨みは絶対忘れない」 「何でも女のせい?」

『アメリカを荒らす者たち』真相考察

【※本稿にはラストのネタバレが含まれています】

『マスターオブゼロ Season2』ラストの解説と批判

Netflix製作ドラマ『マスターオブゼロ Season2』の製作者たちによるラストの解説を紹介する。加えて、作品に向けられたネガティブ批判、そこからの個人の見解を記す。Season1の感想はこちら 【※ラストのネタバレあり】

『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』レイシストもレイピストもいいやつ

女性刑務所を舞台とする『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』は「犯罪者であってもみな人間」ということを描いている。殺人犯もドラッグディーラーも児童誘拐犯もそれぞれ事情を抱える人間である。ここまでは多様性の面で評価を手にするNetflixの看板作品と…

『マスター・オブ・ゼロ』ミレニアル世代が怖いこと

Netflixドラマ『マスター・オブ・ゼロ』はミレニアル世代を巧みに描く現代的今日的要素を活かしながらいつの世も人間が抱く普遍的なテーマを孕んでいる。 『マスター・オブ・ゼロ』が描くミレニアル世代 高齢者が多い『マスター・オブ・ゼロ』 多くの選択肢…

『偽装の夫婦』立派な結論、しかし功罪の功しか描かぬ構成不備

『偽装の夫婦』の結論は多様性肯定だ。性的関係が無くとも、互いが「家族になりたい」と思ったなら家族になって良い。この提唱は異性愛&恋愛至上主義とは対極にあるだろう。しかしながら、この提唱は成立しきれていない。提唱自体を発する地盤となる作品自…

『デスノート』友人想いのLと立派な父親、ただ消え去るだけの凡人殺人鬼

ドラマ版『デスノート』は罪悪感から免れる為に新人格「キラ」を創り出してしまう物語である。物語が進むにつれ、月はどんどんキラを自身の人格に取り込んでしまう。最終的には完全にキラに呑み込まれ、月自身がキラとなる。この「キラ」化の通過儀礼となっ…

『ど根性ガエル』二次元を現実へ書き換える延命

ドラマ版『ど根性ガエル』の命題は「二次元世界」を「現実世界」で延命させることである。その「二次元世界」とは原作に他ならない。原作が持つ「二次元世界」の最たるメタファーがピョン吉。だからドラマの主題は「現実世界でのピョン吉の延命」となる。ド…

デスノート(B)キラに殺されるキラ/ど根性ガエル(A)サザエさん時空vs.現実

映画『クロニクル』に似た『デスノート』1〜2話、ピョン吉を否定する危険性を孕む挑戦に出た『ど根性ガエル』1話の感想です。 デスノート/キラに殺されるキラ ドラマ版の夜神月は普通の大学生である。「やれば出来るのに」と認められながら、安定の為に…

US-Diva版『ファーストクラス』を考える

ハリウッド版『ファーストクラス』に続き、US-Diva編キャスティングです!! 動物園ばりのマウンティング合戦がデフォなので、女優連と違って5秒で決まりました!! 余談として、1期で枠内最高視聴率を叩きだした『ファーストクラス』は何故2期で低視聴率…

ハリウッド版『ファーストクラス』を考える

みんな、『ファースクラス』見てますか!?見てたら視聴率がワースト・クラスになりませんね!!貫禄な愛すべきクソドラマが損益計算書的に考えて「終幕」を迎えてしまうので、ハリウッドver.の『ファーストクラス』を考えました☆ DIVA版もあるよ! 1.『フ…