2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『セッション』梶原一騎イズムの異常者バトル

梶原一騎テイストの「異常者vs.異常者」映画である。実際とは異なった音楽描写も、なんだか「いい話」風に終わるハラスメント描写も、梶原一騎『巨人の星』系統と捉えればそう気にならない。才の無い異常者・指導者と、才のある異常者・生徒が出逢い、“偶然”…

『劇場版ドラゴンボールZ 復活の「F」』悟飯とフリーザが弱いわけ

「戦闘狂」たちの物語となった新生『ドラゴンボール』で、戦闘狂・孫悟空が「弱点」を克服する話だ。『ドラゴンボール』は、2010年代に入って【善vs.悪のヒーローもの】の冠を捨て【戦闘狂バトルもの】にアップデートされた。その中で「ヒーロー」である…

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』アメコミファンも批評家も愛のビギナー

「大衆作品vs.芸術作品」構図ではないと考える。知識不足の商業主義業界人やアメコミ映画偏重傾向の描写が目立つが、それらの「ハリウッドの問題」を描く中で、芸術志向者たちの矛盾と「ブロードウェイの問題」も描いている。人間のエゴを主体に描きながら、…

『博士と彼女のセオリー』崩壊した"円"と現代に残る"直線"

最初からすれ違っている夫婦の話である。画面に着目すると、とにかく「円」が多い映画で、その暗喩は執拗な程に出現する。…ブラックホール、螺旋階段、瞳孔、コーヒー、夫婦の戯れ、チョーク、池作り、車椅子の周回、ボール、模型、電球、メリーゴーラウンド…