2018年メディア寄稿集

f:id:outception:20181128130532j:plain

2018年、メディア媒体に掲載していただいた記事集となります。

ご依頼等、なにかご連絡がありましたら下記メールアドレスにお願い致します。

tatsumijunk@gmail.com 

CINRA:スターの政治的発言は有権者を動かすか? テイラーが沈黙破った米中間選挙

アメリカのセレブの政治的発言って選挙に影響あるの?」という謎について、政治サイエンス周りの研究を紹介しました。テイラー・スウィフト民主党支持が話題を呼んだ2018年、見込まれる「セレブ効果」は上がりつつあります。対象の注目度を上げる「スポットライト効果」は前々からあるものの、2018年中間選挙では「セレブの強力な力」が注目株に。若年層の投票率上昇も合わせ、それは2020年大統領選挙で「セレブ効果」が本領発揮するかも?などなど、カニエ・ウェストレディー・ガガアリアナ・グランデ、フランク・オーシャン、チャンス・ザ・ラッパーの活動もあわせて考察しています。

RealSound:ティモシー・シャラメは新時代のスター? 繊細さと“男らしさ”から逸脱した演技が評価高める理由に

新作『ビューティフル・ボーイ』も話題のティモシー・シャラメが「時代を象徴するスター」と言われる理由を紹介しました。「男らしさ」に捉われない新進的なイメージ、それを支える「境界を破壊する演技」、そして「新時代のアカデミー賞」のシンボルにもなりえる展望など。

FUZE:ドレイクからビヨンセカニエ・ウェスト、チャイルディッシュ・ガンビーノ:セルフイメージが最大の商品になった2010年代に勝者は存在するのか? 

続きを読む

『ウエストワールド』 2016年の淑女と娼婦

f:id:outception:20181007115617j:plain

  2016年の作品にも関わらず、SF西部劇『ウエストワールド』は非常にステロタイプな女性キャラを主人公に据える。だからこそ、このドラマはエンターテインメント産業を“開拓”する。

続きを読む

『クレイジー・リッチ!』麻雀シーンの意味

f:id:outception:20180929151505p:plain

 RealSound様にて紹介させていただいた映画『クレイジー・リッチ!(Crazy Rich Asians)』。

 非常に重要である麻雀シーンについて説明させていただいたのですが、本稿では更に踏み込んだネタバレ解説を致します。8牌の意味や座席位置など、基本的な解説は上記記事の後半に書いたので、まずはそちらを御覧ください。

【※以下ネタバレ】

麻雀でレイチェルは何を伝えたのか

続きを読む

『ボージャック・ホースマンS5』共感できるアビューザー問題

f:id:outception:20180916051118p:plain

この作品の魅力は──誰もが主人公に共感できるところです

誰しも深い後悔を抱えています オレも酷いことをしてきた

みんな酷いヤツだから安心していい、とこの作品は伝えています

 この劇中ドラマに向けられた称賛は『ボージャック・ホースマン』自体の魅力を見事に表わしている。Netflixの奇妙な馬アニメは「共感できる作品のマスタークラス」でありつづけた。主人公が自尊心の弱さと自責感の強さによって暴走するたび、視聴者は共感と愛を深めていった。ボージャックは、豪邸に住むセレブリティにして「2010年代もっとも共感されるアンチヒーローになったのだ。しかし、シーズン5はいささか奇妙だ。ラストの彼は、安心をもたらすほど「共感」される存在ではない。同時に、唾棄すべきほど「共感」できぬ存在にもなっていない。クリエイターは何を思ってこのバランスを作り上げたのか。

【以下ネタバレ】

続きを読む

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』70s英雄譚と英雄の距離

f:id:outception:20180711153433p:plain

 1970年代初頭のアメリカといえばフェミニズム旋風である。ウーマンリブ運動の加熱。71年にヘレン・レディが『I Am Woman』をリリース。72年に雇用機会均等法が大幅に改正され、グロリア・スタイネムが雑誌『Ms.』を刊行。そして73年に「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」が推定9,000万の視聴者を集めた。本作の主人公ビリー・ジーン・キングが男性選手との試合に至った要因には全米テニス協会の賃金格差があった。当時、男性選手の優勝賞金は女性の8倍だった。無論、チケット売上の男女差は8倍ではない。男女同権を志向するビリーは女子テニス協会の前進となる女子ツアーを始めた。スポーツ界のみならず実社会にも根付く格差にアクションを起こしたビリーは、まさに70年代の英雄なのである。

【以下ネタバレ】

続きを読む

『GLOW』勇気をくれる人種差別プロレス

f:id:outception:20180608184228p:plain

 実在女子プロレス団体をモデルにしたコメディ『GLOW』は、リスキーな選択をとった。80年代に活躍した現実のGLOWは、今見るとかなり人種差別的なステージを放映していたのである。では、そんな問題あるショーをどのように“魅力的”に描くのだろう?

【※ネタバレを含みます】

有色人種は「悪役」な80s人種差別ショー 

続きを読む

HIPHOPのメンタルヘルス観の変容/「男らしさ」から「脆弱性」へ

f:id:outception:20180602014917j:image

 HIPHOPメンタルヘルスの関係性。2010年代後半にブームとなったエモRAPについてはCINRA.NET寄稿コラムでフォーカスした。本稿では「エモRAP」以前、主に1990年代から2010年代を追う。アメリカのHIPHOPは現実のブラック・コミュニティを反映する。心理療法を遠ざける要因となる「強さ」主義が問題視されてきたHIPHOP。しかし、近年は変化を見せている。

90s-00s:「強さ」主義と「音楽がセラピー」神話

死んだら地獄に行きたい 俺はどうしようもなくクソ野郎だから

- The Notorious B.I.G. "Suicidal Thoughts"

  2010年代中盤、アメリカで自死や憂鬱を語るRAPが増えた……と言っても、もともとメンタル・イルネスはHIPHOPで描かれてきたモチーフだ。1990年代には、ノトーリアスBIGを筆頭にゲットーボーイズや2Pac希死念慮を表現している。しかしながら、著名ラッパーたちのメンタルヘルス観は変容しつづけている。

続きを読む